センブリよりはましにしても

「なによ、あたちにまだこのマズイ水飲ませる気！？もう飲むもんですか！青菜さしにフツーの水入ってるの知ってるんだから！かじったわよ！ここまでかじったわよ！水にありつけなかったわ！きーーー！！！！」

発情を押さえるための薬水が苦い、不味いと、かんかんにお怒り中の小桜様でございます。

発情した結果、必要のない卵を孕んで苦しい思いをするのは小桜ちゃんです・・・薬水を飲むのは、自分のためなのですが、お怒り中の小桜様に通じるはずもございません。

少しでも真水を飲みたいと、朝の掃除のときにホースからの水を飲み、ついでに水浴びも済ます要領のいい小桜ちゃんです。

とにかく、薬水でない水分が欲しい小桜ちゃんです。みずみずしい青菜をさんざん齧り、青菜刺しの底に少しだけ入っている真水にくちばしが届かなくて、きぃっ、きぃっ、とヒステリーを起こし、こちらを睨み付けています。

今まで、不味いながらも薬水は飲んでくれていました。今回の発情は、ペレットを別の社製のものに切り替えてから、初めてです。おそらく味覚が変わったんだろうと思います。ペレットがおいしい分、水の不味さが際だっているとしか考えられません。

それでも一週間、飲ませました。食後、水分を摂ることをボイコットしている頑固者の小桜ちゃんのために、時々は真水に入れ替えてやりながら、なんとかやりすごしました。

幸い、今回の発情はそれほどしつこくなく、もう、真水を飲んでもいいことになりました。

野鳥は、甘いものが好きです。冬場、みかんなど餌場に出しておくと、皮まで食べられてしまうことがあるほどです。ヒヨドリが、薄めたコンデンスミルクを飲んだなんていう話まであります。お医者様に聞きました。薬水、甘くしてはいけませんかと。

だめなんだそうです。糖尿になるそうです。

辛い話ですね。人間みたいに、苦みすら美味しく感じることも出来ず、うさぎみたいに甘い薬にしてもらうことも出来ません。

小桜ちゃんが暮らしやすい高温を保ち、卵を持っても無事に産む方を選択するか、室温は普通のまま、苦い薬水を飲ませる方を選択するか・・・どちらが小桜ちゃんにとっての本当の幸せなのか、分かりません。

惑いつつ、次にまた発情が来たら、きっと医者行って薬もらってくるんだろうなぁ・・・。